めんへらるんるん【日刊】

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精神障害でお金がくるしいときの制度その1:傷病手当金

第一弾です。今回は傷病手当金について、元人事・元受給者の私がラフな言葉でまとめます。

 

 

傷病手当金

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ケガとか病気で、働けなくなった(=収入0円)ときに生活を助けてくれるものです。

 

「お前、働けなくなっちゃったんだな。収入0円になってきついやろ。月給の約2/3額を手当てするからさ、とりあえず休みな。元気に戻ってきてくれることを待ってるぜ!」ってコンセプトです。

 

 

これは会社が所属している健康保険組合の仕組みです。福利厚生ってやつです。なので、国民健康保険の人はこの制度は使えません。・・・会社に所属しててよかった!と思える瞬間ですね~。

 

会社が所属している健康保険組合というのは、つまり保険証を出してるとこですね。(例えば、全国なんとかかんとか産業健康保険組合みたいな名前。保険証に書いてあります)

会社の財布じゃないんだよね。健保の財布です。

会社を通じて保険証を貰ってる社員は、毎月給与から天引きされてるカネがあると思うんですけど、その中に健保へのカネが含まれてます。なので健保へのカネを払ってる社員はもらう資格があるってことね。

健保っていうのは働く人の健康の面倒を見てくれる、助け合いの団体みたいなもんです。会社の健康診断がタダで受けられるのも健保のおかげ。

 

 

1枚の「傷病手当金請求書」を、「本人」「主治医」「会社の担当者」の3者が記入し合います。そして完成した請求書を、会社経由で健康保険組合に提出します。

 

労災とは違います。労災は「仕事現場でケガした」とか「ひどい職場のハラスメントでうつになった」とか。確実にこんなん仕事のせいや!ってときは労災です。

こっちの傷病手当金は、業務外のケガや病気で使えるやつです。「親が亡くなってメンブレしてるときに仕事のストレスがやばくてもう無理動けない」とかの理由でも大丈夫なんです。なので「私のメンタルが弱いせいだ!休めないよ~」って抱え込んでる人も前向きに休むことを考えられるんです。

 

 

給与の約2/3の額を支給してくれます。この計算に使われるのはだいたい「月給」です。失業保険と違うね。

大体の人が「あなたの月給は何万何千円。ここから欠勤分を引くし、残業代を足すからな」っていうことになってます、きっと。一般職なら。

あらかじめ決まっていた給与額をもとに計算してくれるので、「先月休みまくって給与低いわ、もしかして手当金もすごく低い!?」という心配は不要です。だいたい贅沢しなければ2/3のお金でも生活していけるよね。

 

 

ただし、なんでこの制度があるかっていうと「元気になって職場に戻ってこい」ってためなんで、同一傷病では最長1年6か月!っていう期限があります。

キツイ言い方をすると、「その期間休んでも復帰できないならもう手当の面倒みきれないわ」ってこと。

請求書の提出ペースは会社や健保によって異なるとは思いますが、1か月に1度がベーシックなんじゃないでしょうか。やっぱり「今月はどう?復帰できそう?」ってね、毎月確認したいんですよ、健保組合も。お金もタダじゃないし。って、健保のセミナーで聞いてきました。

 

 

収入があったらその分はもらえません。

たとえば、とりあえずの1か月間、うつで傷病手当金を貰いながら休んだとします。で、その後、「行けるかもしれん・・・行かないと・・・」と思って、這いつくばって1か月仕事に出たとします。でもやっぱり無理で、うつが悪化してまた休むことになりました。

この場合、もらえる期間は、

1年6か月 - 働いた1か月 =1年5か月分 です。

貰い始めた日から1年6か月後には、受け取れる期間終わるからな!というのは変わらない訳です。なので無理せず治療に専念するための期間だと思いましょ~。ガッツリ休んで、しっかり治す!

 

 

貰うためには連続3日間は、会社に行けてないこと。とかの決まりもあるんですけど、このへんは公式HPの方がわかりやすいのでこっち見といてください。

病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

だいたい長期休まなきゃならんほど病んでるなら、3日間会社に行けないのがほとんどだと思うんで私はあんまり気にならなかったですね、複雑な仕組みのわりに。ま、無理しちゃソンソン、ってことです。

 

 

注意点としては、会社の就業規則と支給期間が噛み合わない可能性があるところ。

会社の就業規則をよくよく読むと、たとえば「入社後1年に満たないものが6か月の休職をもってしても復帰できない場合は解雇」って書いてあったりします。もちろん会社によって内容は違いますよ!

なので、自分がこの会社のまま、いつまでMAX休めるのかをちゃんと人事の人とかに確認しましょ~。退職しても、貰い始めた日から1年6か月後までは組合からもらい続けることが出来ますがね・・・。復帰する会社が無いっていうのもメンタルにくるものがあるので、確認大事です。

 

私はここで苦しみました。結局、今の会社に復帰することを優先させたので1年6か月貰いきらないまま復職しました。私は就業規則で「解雇するからな」って記載れれている期間以上休んでしまいましたが、休職でなく欠勤扱いにしてもらった期間があって、それで解雇を免れたわけです。ありがたいねえ。何にせよ相談は大事です。会社の人事の人や上司にもきちんと相談しましょ~。

そもそも「欠勤」と「休職」が違うモノであるってことが難しいんですけど。メンタル弱ってる時に難しい事理解できないのにね~。なので他人をガンガン頼りましょう。

 

 

あと¥手当金¥を出すのは健康保険組合です。会社の財布じゃないわけです。なので請求はそんなに怖がらなくていいと思います(元人事の意見)。

ただし、ちゃんと支給してもらうためにも、会社の指示はききましょう。「会社の産業医と定期的に面談してください」とか、会社から言われるかもしれません。会社経由で請求書提出というシステムになってるんで、やっぱね、従っとかないとね。

 

 

他にも、年金をもらい始めたら受け取れないとか、まあ、いろいろ決まりはあるんですけど、傷病手当金が一番スピーディーにもらえますね。国が審査する年金とか、貰えるまでにめちゃ時間かかるし。突如収入0円ってすごくきついんで、そうなったときにとっさにやるなら、まず傷病手当金の請求だなと思います、私は。

 

 

無理に無理して、メンタルやばいのに働き続けて、この先何年何十年、もしくは一生消えないダメージを抱える前にね、傷病手当金を貰いながら仕事を休むってことも考えてくださいね。

 

(参考)

病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 

(免責)

正しい情報は公式や所属する会社、健康保険組合で確認してください。

 

2018/10/15